舞台「桜だより、届いてますか。」
主催:株式会社フォーエスエンタテインメント / 脚本・演出:友池一彦
桧原桜はソメイヨシノの並木。福岡県福岡市南区にある桜の名所です。
この桜は市民の想いによって守られた桜であり、現在も多くの方に愛されています。
実は、この桜には1つのエピソードがあります。
それは今から、約39年前1984年3月。
桧原にある樹齢50年の桜の木9本が、
都市化が進む福岡中心部への道として道路拡幅工事をすることになり伐採されることになりました。
桜の蕾をいっぱいにつけ、まもなくするというところで1本が伐採されてしまいます。
翌日、一人の住民が桜の木に短歌を結びました。
桧原桜
❀桧原桜と助命嘆願の色紙❀
「つぼみをつけた桜が切られるのはかわいそうだ。
せめてあと二週間、最後の開花を許してほしい。」
という願いを短歌に込めて、市長に嘆願したのです。
そして、この短歌が偶然にもとある会社社長の目に触れ
それをきっかけに夕刊の社会面のトップ見出しに桧原桜が掲載されたりと、マスコミに大きく取り上げられることとなりました。
この記事が、市民の反響を得て他にもたくさんの短歌が桜の枝に吊り下げられるようになりました。
その中には・・・
「桜花(はな)惜しむ 大和心(やまとごころ)の うるわしや
とわに匂(にお)わん 花の心は」
香瑞麻
の一首がありました。後に進藤一馬福岡市長の返歌であることが分かりました。
この出来事は様々な人々の心を動かし、その後道路拡幅工事の予定が一部変更され、
8本の桜を残すこととなり、桜の命は救われました。
この話は、小学生の道徳副読本に採用されたこともあります。
さらに、作曲家である團伊玖磨さんが随筆「パイプのけむり」に書かれたり、
ワールドマガジン「リーダーズ・ダイジェスト」に掲載されたりと、世界中に広く知られることになりました。
そして、約40年後の現在は「桧原桜公園」として平成19年から整備され
地域の人々の憩いの場として親しまれています。
桜の咲く季節になると今も美しい花を咲かせています。
桜の写真
福岡市の公式動画はこちら
「花守りたちの心のリレー ~桧原桜物語~」
桧原桜物語が映像で素敵にまとめられています。
当時の様子をより想像しやすくなるような作品になっています。
筑前花守進藤市長殿
「花あわれ せめてはあと二旬(にじゅん) ついの開花をゆるし給え」